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大塚久雄 『共同体の基礎理論』 レジュメ

大塚久雄『共同体の基礎理論』(岩波現代文庫2012第8版)
第二章 二 共同体

六、「土地」の占取を物質的土台として成立する「共同体」とよばれる社会関係に関する説明
(問題提起)経済学的にみる「共同体」あるいは「共同組織」の規定性は?
まずきわめて一般的な規定からはじめる。

・「土地」は自然的定在であり「原始的」性格をおびている。
・労働緒主体である諸個人は、「自然的」諸個人であり「原始的」性格をおびている。
→したがって、「共同体」という社会関係は、根底に「自然的」労働諸主体の「原始的」な事態と深い関連をもっている。
※「原始的」とは、人間が作り出したのではなく「自然」が尾を引いていることを意味する。

・「原始共同態」(原始的「群団」から内部組織をもつ「部族共同態」までを指す)は、しだいに「農業共同体」へ移行する。
→「原始共同態」という「原型からもちこされた諸特徴」である「共同組織」を根底にもつ社会関係こそが「共同体」である。

・もともと血統などによって共同組織がつくられており、諸個人は生活を再生産するために、共同組織の一員として「大地」を占取し、自己の労働を介して関係する。その逆ではない。
→「共同体」の根底には「共同組織」が生きのびており、その集団性の外枠を形づくるのは「共同態」。

(補足的説明)「共同体」は、血縁的共同組織が農業共同体へ進展し成立したとされている。
→原始的諸条件、外的諸事情、労働用具の発達などの違いによって、農業共同体は無数の偏差をもち雑多な形態をとるが、「共同体」という構成である限り、根底には「共同組織」がある。

七、「土地」の経済学的意義を想起しつつ、内包する歴史的諸契機に注目し問題を一歩一歩展開する。
「土地」のなかには ①〈原始的な生活諸手段〉と、②〈生産された労働要具〉が含まれる。
①は「共同体」全体で占取され、②は私的に占取される。※生産物交換も古い時代から見出された。

・生産された労働要具の種類と数量の増大により、「分業」の形成と拡大が現れる。
→労働要具の私的占取と蓄積の問題は、社会的「分業」との相関において捉えるべきである。
※分業のもっとも古い形態は男女両性間の性別分業で、それぞれ別個の労働領域をもっていた。

八、「富」を包括している「土地」を「共同体」が占取し、個人が「共同体」として再生産していくと、
「共同体」内部に「固有の二元性」がはらまれてくることになる。

「固有の二元性」とは
・〈土地の共同占取〉と〈労働用具の私的占取〉
・〈原始的集団性〉と〈生産を担う個人相互の関係〉
=「共同体」固有の「内的矛盾」=〈生産力〉と〈生産関係〉の矛盾
→血縁的な共同組織をもつ「原始共同態」には、「固有の二元性」が眠ったままの状態で潜んでいる。
労働用具は独立には用をなさず、個人も共同態的関係に眠り込んでいる。(例にイロクオイ族を示す)

九、「原始共同態」の内部に眠っている「固有の二元性」が目覚めるまでの過程
初期の「原始共同態」は、集団自体が生産力として現れた。
  ↓
「原始共同態」の内部における生産諸力は「分業」の展開によって発展する。
  ↓
牧畜から定着農耕へ移行する過程で「生産された労働用具」の私的な蓄積が次第に増大。
  ↓
蓄積は各個人間に不均等に、性別では特に男性の手中に集中。(「家父長制的家族共同態」成立へ) 
  ↓                            
「固有の二元性」が、古い部族組織の血縁関係の枠を内部から突き破りはじめる。
  ↓
「共同体」Gemeinde,communeと呼ばれるにふさわしい生産様式が生まれてくる。
十、「共同体」成立の物質的土台をなす「土地」の占取関係における決定的な変化
「共同体」によって共同に占取された「土地」の中に、対立して「私的に」占取する土地ができる。

・家族の間で永続的に相続される「ヘレディウム」(囲い込み地)の出現
=部族共同態による土地占取の様式のなかに、共同体の「固有の二元性」が姿を現した。
(「原始共同態」の「最終点」,すぐれて「共同体」と呼べる「最初の型」,第一次的「農業共同体」)

・第一次的「農業共同体」の形成 → 階級分化を開始し「書かれた歴史の時代」に入る
(「農業共同体」の形態は無数である。一つの事例として、インド・アーリア族を示す)

十一、「共同体」の諸形態の継起的発展
・「私的な」生産諸力も活動も「共同体」によって「共同態的に」占取された土地を基盤としてのみ可能で、独立に存在はしない。
→諸個人の私的活動の発展の段階に応じて、それぞれ独自な形態をもつ「共同体」に変容する。

(三つの基本形態)
(1)アジア的形態:血縁関係にもとづく「部族共同態」。「共同地」は部族の共同占取と規制のもとにおかれている。
(2)古典古代的形態:「ヘレディウム」を基地とし「フンドゥス」にまで拡大され、共同地と対抗しあっている。
(3)ゲルマン的形態:「共同地」さえも持分化される。土地占取そのものに密着した「村落共同体」となっている。
 
・「共同体」とよばれる基礎的生産様式が自己を再生産していく筋道
「共同体的土地所有」=「共同態的」に占取された土地を基盤とした生活・・・・第一の基礎的事実
 ↓「固有の二元性」をはらんでいるが、諸個人は独立して私的生産をするほどに成長していない。
「共同態規制」=私的活動が「共同体」全体によって抑制される・・・・・・・・第二の基礎的事実
↓ 非合理的、伝統主義的な「経済外的強制」としてあらわれる。
一定の経済外的な「共同態規制」に媒介されながら進行する。

十二、「共同体」とよばれる生産様式が再生産されていく過程において、「土地」の占取や、「共同体規制」については原生的集団の性格を持った「共同組織」が前面に現れる。

・再生産構造としての「共同体」は、「商品流通」のような単一の構成として現れるものではない。
→社会の全構成は、諸「共同体」の連結体という形であらわれる。・・・・・・・・第三の基礎的事実

・「共同体」の構造的二重性の理論(内と外、「内部経済」と「外部経済」)
(1)「共同体」の内部過程(成員の生活)は基本的筋道をもって再生産され、「共同態規制」を媒介として維持される。その規制の基本といえる共同態的「平等」法則は、「共同体意識」の根底を形づくる。

(2) 物質的基礎をなす「土地」は外部に対して封鎖され、「共同体」成員諸個人の生活維持が優先。
→「共同体」と「共同体」のあいだには何らかの共通の利害が形づくられることはあっても、共同の利害が形づくられることはありえない。(外の人は時には敵となる)
⇒「共同体」は、「内部の共同態的平等」と「外部に対する排他的な独占」の構造的二重性を持つ

(3)「共同体」相互の中間に規制力が及ばない社会的真空地帯が形づくられる
→社会的真空地帯が前期的資本(商業資本、高利貸資本)の成長と活動にとっての地盤を形づくった。
⇒経済の構造的二重性の克服によって「資本の原始的蓄積」が始まった。

(感想)共同占取と私的所有、集団性と個人、といった共同体「固有の二元性」。この二つのせめぎ
あいが、生産力向上のなかで、「共同体」の形態を変えていくという流れが理解できた。

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